専門医が語る!境界性パーソナリティ障害 専門医が語る!境界性パーソナリティ障害
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  • 「性格」や「個性」と、どのような違いがあるのでしょうか。
  • よく見られる症状には、どのようなものがありますか。
  • 合併しやすい病気は何ですか。

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  • 境界性パーソナリティ障害を引き起こす背景に変化がありましたか。
  • 患者さんは、どのような症状で悩んだり、苦しんだりしていますか。
  • 患者さんと、どのようにコミュニケーションを取っていますか。

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  • 患者さんは、ご家族と一緒に受診される方が良いのでしょうか。
  • 家族や周囲の人は、どのように関わればよいのでしょうか。
  • 情報収集の際に気を付けることがあれば教えてください。

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境界性パーソナリティ障害ってなに?

イラスト イラスト 人間は誰もが、青年期を通じて子どもの人格が大人の人格へと成長しますが、 この成長がうまくいかないと、認知(物事の判断)、感情表現、衝動制御、対人関係などの面で年齢相応の行動がとれなくなります。 些細なことでいかにも幼児的な態度をとり、周囲に迷惑をかける行為に走り、社会生活でも職業生活でも問題が生じるようになると、パーソナリティ障害と呼ばれるようになります。 なかでも、対人関係で見捨てられたと感じて強い不安感をもち、感情の暴発、ひどい落ち込みと死にたい気持ち、実際にリストカット、 過量服薬などの衝動行為に走る状態を呈するようになると「境界性パーソナリティ障害」(BPD:Borderline Personality Disorder)とされます。
BPDの患者さんの数は、人口の約1.6%※、つまり100人に1人以上の割合と言われていますので、決して珍しい病気ではありません。 また、10代前半から20代前半の女性に多いと言われてきましたが、最近では30代、40代で発症する方も増えています。

※出典: American Psychiatric Association Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition. 2013, p.992 アメリカ精神医学会. 日本精神神経学会(監修)高橋三郎, 大野裕(監訳) DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル. 医学書院, 2014, p.932

境界性パーソナリティ障害(BPD)によく見られる症状って?

BPDの特徴として、主に以下の症状がよく見られます。

  • 現実または想像の中で、親しい人から見捨てられることを強く恐れ、不安を抱いて、なりふり構わない行動をする
  • 時に人を理想化し、時に人を酷評するなど、対人関係の変動が激しく、コミュニケーションが安定しない
  • 自分がどういう人間なのかわからない感覚を抱いている
  • 自分の苦しさをリストカットや自己を損なう行為(セックス、薬物、無謀な運転、過食など)に依存しやすくなる
  • 気分や感情が目まぐるしく変わる
  • ちょっとしたことでカッとなり感情が制御できない
  • いつも空虚な気持ちを抱いている
  • 強いストレスで現実的でない考えが出てきたり、現実感がなくなったりする

患者さんが特に困っている症状って?

イラスト イラスト 生活の目標を失って慢性的な虚無感に陥っている状態といってよいでしょう。 その状態で些細な体験を契機に感情の暴発を起こしたり、衝動行為(自傷行為など)に走ったりする特徴があります。 その背後に極めて悪化した親子関係があることが多いようです。それだけに、年齢相応の社会的付き合いや仕事(勉強)に全くと言ってよいほどに自信がありません。 そのため、役割を前にして、自信を失い、自分を責める気持ちも強いことは知っておいた方がよいでしょう。 やってしまった後にそれと並行して自責感があります。 無責任に周囲を罵倒しているかに見えることが少なくありませんが、強い自責の念をもっていることは知っておくべきです。

社会環境の変化は境界性パーソナリティ障害(BPD)に影響ありますか?

イラスト イラスト 1970~1980年頃は、家庭における父親の力が低下し、母親の力が強くなって母子関係の病理を基盤にした病態がみられるようになりました。 さらに、21世紀前になって再び親子関係の様相が変化しました。親達が本当の大人になりきれていないことから、子どもを夫婦喧嘩などに巻き込みやすく 虐待的光景が当たり前のようになりました。そのため、親子間の世代間境界形成が遅れ、自我が形成される思春期が非常に遅くなっています。 20世紀後半は、24歳になれば大人になるとされましたが、最近はそれがずっと遅れて30代や40代でBPDを見かけることが多くなりました。 心の準備ができないままに結婚し育児にさしかかると破綻を来すといった感じです。

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ご家族や周囲の人の接し方 ご家族や周囲の人の接し方

イラスト イラスト 患者さんが自分自身で人格が未熟で大人になれていないという自覚を持つように取り計らうとともに、 親もまた患者が未熟な人間であり、これから成長しているのだという視点を持つようにすることが大事です。 つまり、親子ともども一緒に、より成熟した社会人になろうとしているのだ、と知ってもらうことが大事です。 家族には、受け身的に指導を受けるのではなく、自主的に我が子を育てている自覚をもってもらうことが大事です。 目先の困った行動(自傷行為)をどうすればよいかをめぐって指導するのではなく、家族が「こうすればいいんですね」と気付くことが必要です。 患者さんに「あと何年のうちに治さないといけない」などという気持ちは持たせないよう、時間がかかることを理解して長い目で見守ってください。 本人を無理に変えようとアドバイスをすることは控え、本人が気づいたことに気配りをし、うまくいったとき、その瞬間にほめることが非常に大事です。 例えば、患者が会話で「ごめん」といったら、すかさずそれを取り上げて「言えたじゃない。私もうれしいよ」とほめて、勇気づけることを心掛けることです。 また、ご家族自身も自分たちの家族のあり方や人生の歩み方について考えることが必要です。家族の気付きによって、 相乗効果で患者さん自身が変わってくることも少なくありません。そして家族が変わると、患者さんの状態が一気に改善に向かうこともあります。

境界性パーソナリティ障害(BPD)と考えられる著名人 境界性パーソナリティ障害(BPD)と考えられる著名人

BPDを患っていたと考えられる歴史上の人物に、太宰治がいます。また、アメリカ合衆国の女優・モデルであった、マリリン・モンローもその一人です。

  • 太宰治イラスト 太宰治イラスト
  • 太宰 治

    日本が誇る文豪の一人、太宰治。代表作品として、日本文学史上最大のベストセラー『人間失格』、 教科書に掲載され抜群の知名度を誇る『走れメロス』などがある。太宰自身の思いや経験が色濃く反映された作品が多い。

    出典:町沢静男著:ボーダーラインの心の病理自己不確実に悩む人々.創元社,P151-175

  • マリリン・モンローイラスト マリリン・モンローイラスト
  • マリリン・モンロー

    20世紀を代表するセックスシンボル(性的魅力のある人)の一人、マリリン・モンロー。 代表作の一つに、通気口から吹き上がる風で白いスカートが吹き上がるシーンがあまりにも有名な『七年目の浮気』がある。

    出典:動機ないモンロー「自殺」.時事通信,2005年8月7日
    町沢静男著:ボーダーラインの心の病理自己不確実に悩む人々.創元社,P49-52

監修

市ヶ谷ひもろぎクリニック名誉院長牛島定信先生
市ヶ谷ひもろぎクリニック理事長渡部芳德先生

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